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眼科医のひとり言

眼科医のひとり言

春季カタル

春季カタルは、まぶたの裏側に強い炎症が起きてボコボコにはれてしまう病気です(まぶたの裏側なので外見ではあまりよく分かりません、結膜乳頭と呼びます)。
アトピー性皮膚炎の患者さんに合併しやすいと言われています。

まぶたの裏側がでこぼこになるので黒目(角膜)をこすってしまい角膜びらん(角膜の表面の皮がはがれてしまう)ができてしまったり、角膜にプラーク(外見では白い塊)ができてしまったりします。
また、強い炎症で黒目と白目の境が白くはれてしまいます。

症状はやはり、かゆみ・涙目やになどですが、強い痛みを感じることもよくあります。

治療の基本は花粉症と同じ点眼を用いますが、効果のないときはステロイド薬をまぶたの裏側に注射したり、内服したりします。
効果がなければ、さらに、免疫抑制剤の点眼を行ったり、まぶたの裏にできてしまったボコボコはれた部分(結膜乳頭)をメスで切除することもあります。

症状が強くなかなか治りにくいので治療は長期になります、また点眼もステロイドを中心に行うので白内障や眼圧の上昇・易感染性(角膜潰瘍などをおこしやすくなる)などの合併症も生じやすくなります。


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